2024年07月01日 (月) 県立高校の事務次長、盗撮行為に手を染める…逃亡を図り4日後に自ら名乗りでる
鳥取県教育委員会は10月30日、勤務先の高校の女子トイレで女性の下半身を盗撮したとして、県立高校に勤める40歳の事務次長の男性を懲戒免職処分としました。
事務次長は今年7月、勤務先の高校で女子トイレの個室に侵入し、扉の下の隙間からスマートフォンを差し入れて、女子生徒の下半身を撮影したとされています。被害を受けた女子生徒は異変に気付き、スマホを取り上げようとしましたが、その場で確保することはできませんでした。女性生徒が学校に相談し、学校が警察に届け出たことで事件が明るみに出ました。
その後の警察の調査により、事務次長の関与が疑われていましたが、事件から4日後、本人が校長に自ら犯行を申し出たことから、疑いが確定しました。警察への事情聴取では、撮影データはすでに削除されていたものの、事務次長は「特定の女性を狙ったわけではなく、衝動的に行った」と述べ、過去にも同様の盗撮行為を複数回行っていたと話しています。
鳥取県教育委員会は「生徒を盗撮するという行為は教育職員として許されないものであり、県民の信頼を回復するために努めていく」とコメントし、事務次長の退職手当は支給しないことを決定しました。
県立高校の事務次長は地方公務員にあたるそうです。教育現場での事務管理や運営サポートに携わる、大事な役割を担っているとのことで、そのような地位の人が盗撮行為に手を染めていました。教育委員会の言葉通りで、残念でしかたがありませんが、今回もはじめていきましょう。
今回はすべての処分まで決まってから公開されています。このような形式で公開される背景には、捜査や調査の過程で必要な証拠収集や本人聴取が関係し、調査の公平性を保つため、事実関係の確定前に外部へ情報を漏らさない配慮も含まれています。特に教育現場の場合、周囲の生徒や保護者への影響が大きいため、正式な手続きが終了するまで控えめに扱うことで、個別のプライバシーや人権も保護する目的があるとのことです。
事件の話しに移りましょう。今回の事件は教育の場で働く職員による極めて不適切な行動であり、高校内での盗撮という事態は信じがたく、残念でしかたがない内容です。特に教育職員としての意識や倫理観の欠落が顕著であり、学校での盗撮は一時的な衝動では説明がつかない犯罪行為です。日常的に安心して過ごす場であるべき学校が、一転この事件で生徒にとって危険や不安の対象となってしまったのです。今回、事務次長が犯行後に一度その場を逃れながら、顔を見られていた可能性を知りつつも逃亡し、4日後に自ら名乗り出たわけで、どんな心理状態だったのでしょうか。
また「衝動的に行った」という本人の供述と、過去にも複数回同様の行為をしていたと認める言葉の間には矛盾が感じられます。衝動的に行ったという説明は、突発的で一度きりの行動を示唆しますので、被害者が複数人いて常習性が見られる以上、こうした行為事実と発言は、よく精査され、再発防止のための対策に活かしていくことが重要でしょう。
教育委員会が、信頼失墜に当たるとして厳格な処分を下したことは妥当といえ、今後の教育環境の改善への取り組みに期待したいところです。教育の現場では、生徒たちが安心して学び成長できる環境が何よりも重要です。このような事件が起きたことで学校や教育委員会の信用が傷つく中、生徒や保護者の信頼を回復するためにも、再発防止策の徹底や職員の倫理教育が急務です。
教育現場における信頼を再構築するためには、何よりも教職員一人ひとりが強い倫理観と責任感を持って職務にあたる必要があります。