2023年07月17日 (月) 病院内での盗撮行為、40代男性看護師が懲戒処分
県病院事業局は27日、県立中部病院の男性看護師(40代)が院内の休憩室にある女性トイレで盗撮行為をしていたとして、26日付で停職6カ月の懲戒処分にしたと発表しました。
問題の行為が発覚したのは昨年7月17日。休憩室の女性トイレを使用していた職員が、ドアの下の隙間からスマートフォンが差し入れられていることに気付きました。その後、職員が上司に相談し、この男性看護師が盗撮行為を認めました。
さらに事情聴取を進めたところ、男性看護師は2021年頃から複数の休憩室にあるトイレで、繰り返し盗撮行為を行っていたことが判明しました。
県の聞き取りに対し「仕事のストレスがあって盗撮をしてしまった」と話しているということです。
県病院事業局は「県民の皆様に深くおわびします。このような事案が再び起こらないよう職員の綱紀粛正に努めていきます」としています。
この事件は、2021年から2023年までの約2年間にわたり、病院内で看護師が複数の休憩室トイレで盗撮を繰り返していたことが判明したものです。このような長期にわたる盗撮行為が発覚しなかった背景には、盗撮という行為の特異性と、職場環境の盲点が絡み合っていると考えられます。
まず注目すべきは、犯行が「職場内で」「職場仲間によって」行われていた点です。通常、盗撮犯といえば外部からの不審者をイメージします。しかし、この事件では犯人が同じ職場で信頼を得ている看護師であったため、職場内で不審視されることなく盗撮行為を繰り返すことができました。さらに、医療現場の特性として、看護師は夜勤やシフト勤務があり、人が少ない時間帯が生じやすい環境にあります。人が限定されていたこと、監視の甘さが、犯行の常習化を助長した可能性が高いです。
また、今回のケースからは、盗撮がいかに発覚しにくい行為であるかも浮き彫りになりました。特に、犯行現場がトイレのようなプライベート空間であり、防犯カメラの設置が難しい場所であれば、証拠を得ることが非常に困難です。さらに、犯行期間が2年間にも及んだという事実は、職場内での警戒意識が低かったことを物語っています。犯行を行っていた看護師は日常的に接する仲間であり、その人物が「盗撮をする」と疑う心理的障壁も大きかったのではないでしょうか。
対策としては、職場内での防犯意識を高めると同時に、プライベート空間にも適切な管理を導入する必要があります。例えば、職員専用トイレの構造の改善や、定期的な巡回、匿名での内部通報制度の整備などが挙げられます。また、医療現場特有の勤務体制を考慮し、夜間の防犯対策をさらに強化することも欠かせません。
最終的に、このような事件を防ぐには、職場全体での倫理観の向上と、個々人の行動を適切に監視する仕組みを構築する必要があります。この事件をきっかけに、再発防止のための新たな対策が講じられることを強く期待します。