2024年10月20日 (日) 教育関係者の裏切り…支援学校職員が計画的盗撮に及ぶ <追記1>
大阪府東大阪市内の施設で、10月20日、和歌山県立きのかわ支援学校に勤務する容疑者の男(57)が盗撮の疑いで逮捕されました。
警察によると、容疑者は施設内で隣に座っていた10代の女性のスカートの中を、手提げカバンに隠したビデオカメラで盗撮していたとみられています。女性はカバンの中に不審なビデオカメラがあることに気づき、同行していた男性が容疑者にカメラの映像を見せるよう求めましたが、容疑者はその場から逃げました。男性が110番通報し、駆けつけた警察と共に周辺を捜索したところ、施設の外の道路で松場容疑者を発見し、逮捕しました。
取り調べに対し、容疑者は「女の子を盗撮するために来た」と供述し、容疑を認めています。和歌山県教育委員会は「今後、詳細を確認の上、厳正に対応する」とのコメントを発表しました。
この施設は「和歌山県立きのかわ」という支援学校一つです。支援学校とは、身体的・知的・発達上の障害がある生徒に対して、個別の教育プログラムを提供する場所で、生徒一人ひとりの成長と発達に合わせたサポートを提供することが目的とされているそうです。どうしてこのような場所でこういう犯罪が起きるのでしょうか。
今回の事件は、学校で働く人がその施設内で盗撮行為に及んだという点で、とても悲しく、信じがたいものです。支援学校の職員という、特に子どもたちを支える役割を担う人が、わざわざビデオカメラを用意して盗撮に及び、さらには発覚した途端にその場から逃げ出すとは、無責任でだらしないとしか言えません。こういった事件を追っていると、教育現場で働く人が関わる不祥事が多く目につきます。もちろん、こうした犯罪を犯すのはごく一部の人たちだと思いますが、それでも公務員、さらには教育に対する信頼を考えてしまうことはなんとも切ないものです。
こういった無責任な人間がなぜ教育現場にいたのか、そして普段の仕事ぶりや素行はどうだったのか、疑問が尽きません。教育に携わる人には、子どもたちに正しいことを教え、守るべき責任があるのに、今回のように自分がその役割を裏切ってしまうのは非常に残念でしかたがありません。多くの人が学校や先生に信頼を寄せているからこそ、教育現場での不祥事はその信頼を大きく揺るがすものです。
また、教育委員会の「詳細が分かり次第、厳正に対処する」というコメントも、被害者やその家族、地域社会が感じている不安や怒りには十分応えていないように思えます。せめて、被害者への配慮や再発防止についての具体的な言葉があれば、もう少し安心できたかもしれません。
今回の件をきっかけに、教育現場で働く人が自分の行動を見直し、モラルを持って子どもたちに接することが求められます。そして、教育委員会が信頼を取り戻すためにも、今後の対策をしっかりと示し、早急に対応することが大切だと感じます。
<追記1>
大阪地検は、男性を12月20日付で不起訴処分にしました。
不起訴の理由について、大阪地検は「捜査の結果やさまざまな状況を考慮した」と説明しています。
不起訴とは、検察が事件について裁判に持ち込まないと決めることです。つまり、起訴(裁判にかけること)しないという判断です。
理由としては、証拠が不十分で有罪にできる見込みがない場合や、被害者や加害者の事情を考慮して裁判が適切でないと判断された場合などがあります。不起訴になると、加害者は裁判を受けず、刑罰も科されません。
前科はつかないということです。しっかりと反省してほしいものです。