2024年11月18日 (月) 千葉県職員が男性を盗撮、警視庁が逮捕
警視庁は12月4日、千葉県印西市福祉部に勤務する40代の男性職員を、性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで逮捕しました。この職員は「間違いありません。男性の裸に興味があった」と容疑を認めています。
事件が起きたのは、11月18日午後0時15分ごろ。東京都文京区にある病院の男性用トイレで、職員が50代男性の陰部をスマートフォンで撮影したとされています。被害男性は親族の付き添いで病院を訪れており、トイレで用を足しているところ、隣に立った職員がスマートフォンを向けてきたということです。
容疑者の職員は、この病院に通院していたとのことです。逮捕を受け、印西市の藤代健吾市長は「心より深くおわび申し上げます。事実関係を確認した上で、厳正に対処して参ります」とのコメントを発表しました。
この事件を聞いて、正直なところ、理解に苦しみます。公務員が、なぜこのような行為に及んだのか。その背景にはどんな事情があったのかと考えざるを得ません。しかし、いかなる事情があったにせよ、他人のプライバシーを侵害する行為は断じて許されるものではありません。
「男性の裸に興味があった」という供述からは、個人的な欲望が抑えられなかったことが伺えます。しかし、その興味を満たすために他人を犠牲にするというのは、倫理観の欠如どころの話ではなく、人としての基本的な尊厳や他者への配慮が完全に欠落していると言わざるを得ません。職員が公務員、しかも福祉部に所属していたという事実は、さらに衝撃を与えます。人々の生活を支えるべき立場にありながら、裏切る行為をしたことに強い憤りを覚えます。
今回の事件で最も理解に苦しむのは、犯人がその場で「バレない」と思ったのか、それとも、ある種の軽率さや緊張感の欠如があったのかという点です。男性用トイレでスマートフォンを向ける行為は、被害者からの視線にさらされる可能性が極めて高いはずです。それにもかかわらず、犯人が行為に及んだ背景には、自身の行動が露見する可能性を軽視していたか、もしくはそれを無視するほど欲望に突き動かされていたのかもしれません。
「スマートフォンを向ける」という行為は非常に目立ちます。人は意外と周囲の動きに敏感であり、とくに不自然な行動はすぐに注意を引きます。それでもなお、この職員は大胆にもスマートフォンを向け、被害者の陰部を撮影しようとしました。普通に考えれば、「そんな行為が見逃されるはずがない」と感じるものです。もしかすると、犯人は「撮影行為そのものが普通の行動」と錯覚していたのではないでしょうか。あるいは、頻繁に盗撮を繰り返していた結果、罪悪感や警戒心が麻痺し、「今回も大丈夫だろう」という過信に陥っていた可能性もあります。
こうした行動は、単なる一時の衝動ではなく、計画的な要素があるように見受けられます。スマートフォンを準備し、それをトイレで使用するタイミングを見計らうという行為には、ある程度の「下準備」が必要です。それを考えると、犯人がばれる危険性よりも、欲望を満たしたいという思いが勝っていたことがうかがえます。これが常習的な行為であれば、なおさら重大です。
一方で、この職員がここまで倫理観を失い、欲望に支配されてしまった背景には、孤独や精神的な問題があったのかもしれません。もちろん、それが犯罪を正当化する理由にはなりませんが、彼の行動の背後には助けを求める機会を持てなかった、あるいはその方法を知らなかったという問題が隠れているようにも思います。