2024年06月01日 (土) 「軽い気持ち」が招いた重罪――信頼失墜した放射線技師の末路
三重大学は11月8日、医学部付属病院(津市)に勤務する40代の男性診療放射線技師を、女子職員の更衣室を盗撮したとして、出勤停止6カ月の懲戒処分にしたと発表しました。処分は11月7日付です。
三重大学によると、この男性職員は2024年6月、病院内の女性更衣室に侵入し、小型カメラを設置して職員の着替えの様子を盗撮していたとのことです。カメラはACアダプターに偽装され、天井のコンセントに差し込まれていましたが、女性職員が不審に思い発見。そのカメラには、10数人の女性が着替える様子が記録されていたことが判明しました。
大学側の調査に対し、男性職員は「軽い気持ちでしてしまった」と盗撮行為を認めています。これを受けて、三重大学は7日付で懲戒処分を決定し、男性職員は今月末をもって退職する意向を示しています。
今回の事件は、三重大学病院に勤務する放射線技師が、職場の女子更衣室に小型カメラを仕掛け、同僚の女性職員を盗撮していたという非常に悪質なものです。放射線技師といえば、私たちが病院で診察を受ける際にだれもがお世話になる専門職であり、患者の健康や命を守るために重要な役割を担っています。そんな信頼されるべき立場にいる人物が、このような卑劣な行為に手を染めたという事実は、非常にショッキングに感じます。
更衣室は、女性職員がプライバシーを守られた空間で安心して着替えるための場所で、非常にデリケートなところです。職場の同僚に対して、このような行為が向けられたことは、被害者の心理的なショックを想像するだけでも胸が痛みます。
※実際の女子更衣室の一部だそうです。(HPより)
また、犯行に及んだ男性職員は「軽い気持ちでしてしまった」と供述していますが、その言葉に対して強い違和感を覚えます。カメラをACアダプターに偽装し、女性更衣室に設置したという点からも、これは明らかに計画的犯行です。「軽い気持ち」ではなく、事前に準備をして意図的に行われたものであり、その意識の低さに対して怒りを覚えます。どんな理由があったとしても、盗撮行為は犯罪であり、決して許されるものではありません。
特に放射線技師という立場は、医療の現場で患者の信頼を得ながら働くことが求められる職業です。患者は検査時に服を脱ぎ、下着姿になることもあり、その際に放射線技師と向き合うわけです。そんなデリケートな部分も職責として担う人物が、同僚女性に対して盗撮を行うとは、職業倫理を著しく欠いた行為です。
今回の事件で、三重大学はこの職員に対し出勤停止6カ月の懲戒処分を下し、職員は退職する意向を示していますが、これだけで済む問題ではありません。再発防止に向けた対策が急務であり、同様の事件が二度と起こらないよう、徹底した対策が必要です。特に、更衣室やトイレといったプライベート空間には、防犯カメラの設置や定期的なチェックなど、施設側の防犯意識の向上も求められます。
最後に、被害に遭われた女性職員の方々がこの事件の影響を乗り越え、再び安心して職場で働ける環境が整うことを強く願います。彼女たちの心のケアを最優先に考え、医療現場全体で安全な労働環境を再構築していくことが必要です。そして、私たち一人ひとりも、こうした盗撮行為がどれだけ被害者の心を傷つけるかを理解し、犯罪の抑止力となるような社会的意識を持ち続けるべきだと思います。