2024年10月23日 (水) 「私は病的だった」女子生徒2人のスカート内を盗撮した容疑で、教諭を逮捕
熊本県教育委員会は、勤務先の高校で女子生徒のスカート内を盗撮したとして、52歳の男性教諭を2024年12月3日付で懲戒免職処分としました。この教諭は同年10月23日、スマートフォンをサンダルに挟み、録画状態で女子生徒1人のスカート内を撮影しました。行為は一緒にいた女子生徒が気づいたことで発覚しました。
一緒にいた生徒が近くにいた女の教諭に報告。その女性教諭が、被害に遭った生徒から話を聞いていた最中に、さらに別の生徒のスカートの中を盗撮している様子を目撃したということ。
その後の調査で、この教諭が2024年7月以降に校内で十数回にわたり盗撮を繰り返していたことが判明しました。県教育委員会の聞き取りに対し、教諭は「盗撮を初めて成功させてからやめられなくなった。スリルや満足感を感じ、病的だった」と語り、行為を認めています。また、謝罪の意思も示しました。
この事件を受け、校長も管理責任を問われ、戒告処分を受けています。さらに、県教育委員会の白石伸一教育長は「盗撮という断じてあってはならない行為が起きたことに深くおわび申し上げます」とコメントしました。現在、警察が捜査を進めています。
この事件により、熊本県の教職員に対する2024年度の懲戒処分者数は9人に達しました。県教育委員会は、今後も再発防止に向けた取り組みを強化する方針です。
この事件を知り、わいてきた感情は悲しみでした。教育者という立場にある人物が、長期間にわたり盗撮を繰り返し、ついには発覚して懲戒免職に至るという結果になったことは、いくところまでいってしまったなと思うわけです。
この教諭は「病的だった」と語り、自身の行為が常軌を逸していたことを認めています。この「病的」という言葉からは、彼自身が盗撮をやめられないという感覚に囚われ、孤独や苦悩の中で行為を繰り返していた可能性を感じます。しかし、盗撮行為は犯罪であり、被害者に深い心の傷を残します。そのような行為を止められなかったことには、相談相手や支えとなる人がいなかったことも一因だったのではないでしょうか。
この事件を通して、教諭自身の内面にも目を向ける必要があると感じます。彼が語った「病的だった」という言葉には、自らの行為を抑えられなかった葛藤や苦しみが垣間見えます。盗撮という犯罪に手を染める前に、彼の中で何が起きていたのかを考えざるを得ません。もしかすると、彼の心の中には誰にも打ち明けられない孤独や寂しさ、あるいは自身を取り巻くストレスがあったのかもしれません。
教育現場で働く教師は、生徒や保護者、同僚との人間関係に加え、教育そのものの責任も抱えています。その中で、彼が何らかの形で心のバランスを崩してしまったのではないでしょうか。しかし、その孤独や悩みを相談できる相手がおらず、結果として盗撮という行為に走った可能性があります。この背景には、彼の周囲が気づくべきサインがあったのかもしれません。
また、「満足感やスリルがあった」という供述には、彼が何かを埋めるようにしてその行為を繰り返していた様子がうかがえます。これが本当に孤独からくるものだったのか、別の心の空虚を満たそうとしていたのかは分かりませんが、犯罪行為が彼の支えになってしまったこと自体が悲劇です。ここには、社会全体で心のケアや相談しやすい環境を整える重要性が浮き彫りになっています。
一方で、孤独や寂しさが犯罪の免罪符にはなりません。彼の行為が被害者に与えた心の傷の深さを考えると、その責任は極めて重大です。しかし、こうした犯罪を繰り返させないためにも、教諭がなぜその行為に至ったのかを深く理解し、今後同じような状況に陥る人を救える仕組みを作ることも必要だと考えます。
やっかいなのは、盗撮の「常習性」と「エスカレートする危険性」です。教諭は7月以降に十数回の盗撮を行っていたと自ら語り、成功体験が歯止めを失わせたと述べています。こうした行動がエスカレートし、最終的には校内で発覚するまで続いたことを考えると、盗撮がいかに発覚しにくく、またその性質上、被害が深刻化しやすいかが分かります。今回の事件は、偶然気づかれたことで露見しましたが、発覚しなければさらに多くの被害者を生んでいた可能性があります。
教育者としての責任の欠如が問題だったことは言うまでもありません。教師という職業は、生徒に知識や道徳を教えるだけでなく、模範としての振る舞いを求められる立場です。その教師が、密かに盗撮という卑劣な行為を行い続けていた事実は、強い非難に値します。
そして、何よりも忘れてはならないのは被害者の存在です。盗撮被害は目に見えない形で被害者の心に大きな傷を残します。被害者が受けた精神的ショックや不安に対するケアが早急に行われるべきです。また、被害者が安心して生活を取り戻せるよう、加害者への厳正な処罰と再発防止のための徹底した対策が求められます。