2024年11月27日 (水) 「入ってはいけない場所に入るスリルを満たしたかった」医師をトイレ盗撮容疑で逮捕
和歌山県立医科大学附属病院で、30代の男性医師が女性トイレで盗撮を行ったとして、停職3か月の懲戒処分を受けたことが12月27日に発表されました。男性医師は退職届を提出しており、12月末で退職する予定です。
大学の発表によると、この男性医師は11月27日午前0時ごろ、夜間勤務中に病院内の職員専用女性トイレに侵入し、トイレを使用していた20代の女性看護師をスマートフォンで撮影しました。女性看護師が異変に気付き、廊下で男性医師を見つけたうえでスマートフォン内の動画を確認。これにより盗撮行為が発覚し、警察に被害届を提出しました。
男性医師は大学の聞き取り調査に対し、「仕事のストレスを発散したかった。入ってはいけない場所に入るスリルと性的欲求を満たすために行った」と説明し、過去にも3~4回同様の行為をしたと認めています。待機部屋が女子トイレに隣接しており、利用者の音が聞こえていたことも明らかになっています。
今回の事件を受けて、病院長は「職員によるこのような不祥事が発生したことは誠に遺憾です。今後、綱紀を粛正し、再発防止に全力を尽くしてまいります」とコメントしています。
医師が職場内での盗撮という事実は、被害者に深い心理的傷を与えるだけでなく、同僚や病院全体の信頼を損なう深刻な結果をもたらしたはずです。
事件の背景には、医師の休憩室が女性トイレに隣接していたという環境的要因もありました。トイレの音が休憩室から聞こえる状況は、職場として配慮に欠けた設計であり、医師が「欲情しやすい環境」に置かれていた可能性も否定できません。プライベート空間への配慮が欠けていることが、今回の事件を誘発した一因と考えられます。このような問題は、単に個人の責任として片付けるのではなく、病院の環境改善が求められる部分もあったのかもしれません。
医師が「スリルを味わいたかった」と供述している点も、盗撮行為の本質的な問題を浮き彫りにしています。盗撮は、単なる性的欲求を満たす行為ではなく、スリルや禁忌を破る快感が大きな動機となるケースが少なくありません。このような心理が、盗撮という犯罪行為がなかなか根絶されない理由の一つと言えるでしょう。特に、社会的地位が高く、ストレスの多い仕事に従事している人々においては、そのような衝動が犯罪行為に向かいやすいという指摘もあります。
また、盗撮の魔力ともいえる特性にも注目すべきです。一度成功した盗撮行為が、さらに大きなスリルや快感を求める連鎖的な行動につながることが多いとされています。今回の医師も、過去に数回同様の行為をしていたと自ら認めています。これは、盗撮が単発で終わらず、繰り返し行われやすい特性を持つ犯罪であることを示しています。
今回の事件を受けて、再発防止策が急務となります。まずは、トイレの配置や構造を見直し、プライバシーが十分に守られる環境を整備することが必要です。同時に、職場内での心理的ケアやストレス対策も重要です。高い責任を負う医療従事者が、不適切な方法でストレスを解消しないよう、メンタルヘルスの支援体制を強化することが求められます。
最後に、盗撮行為が持つ破壊的な影響について社会全体での啓発も必要です。被害者の心理的ケアに加え、加害者の更生プログラムを充実させることで、同様の事件を未然に防ぐ取り組みを進めることが重要です。この医師も辞めて終わりではなく、どこかでまた復帰するためにも、盗撮行為を更生してほしいです。